埼玉の自然あふれる高台に位置し、
目の前には武甲山が広がるその場所にクリニックはある。

まず、自然の中に建築することを配慮し、既存風景を損なわないことを前提としている。
風景に溶け込ませつつも、患者から見つけ易く、
かつアプローチし易いという条件も同時に満たしている。

今回は、武甲山がとても綺麗に見える絶好のロケーションということを建築計画において大切な要素とし、建築することで風景がより綺麗に見えるように設計している。

インテリアのコンセプトは、病院施設で問題となっている待ち時間をどのように解決していくか、
どのように他のクリニックとの差別化を図り、付加価値を高めていくか、
これらを解決して患者にとって安心・癒し・くつろぎを感じていただけるものとしている。

また、落ち着きのある和モダンをインテリアの基本テイストとして統一しているが、
要所でアクセントとなるオブジェを点在させておくことで、
患者を楽しませる仕掛けを取り入れている。

待ち時間への解決策としては、従来型の病院での”待たされている”という感覚を一新するような、
くつろぎを感じていただける空間をくつり出している。
差別化・付加価値を付けるため、
患者により満足していただけるサービスを提供できるようなレイアウト計画をしている。

その一つとして、赤ちゃんや小さなお子さん連れの患者にとっても、
来院し易くする為に待ち合いスペースを「大人」と「子供」で分け、授乳室も設けている。

更に、子供連れの患者が来院し易いだけでなく、
このクリニックを利用していることが患者のステイタスとなるような空間を提供することで、
幅広い客層をターゲットにしている。

また、土足にすることでエントランスでの混雑を回避し、
スムーズな出入りが出来るようにしている。

地元の人が普段見慣れている武甲山、
待ち合いスペースの大開口で切り取られたこの風景の見え方を新しい風景として、
楽しんでいただけたらと思っている。

街の新しいシンボルとなればと強い思いを込めている。