見渡す限り海を望む絶好のロケーション。
それを活かす様に考えた導線計画では、入口からのアプローチを長く、期待感を与える効果を狙う。都会の中のそこだけ時間が止まったかの様な佇まいの洗練されたしつらえ、ガラス越しに見ることのできるドレスルーム、シンメトリーに構成された格式を感じる空間構成。無駄を省き、白を基調とした極めてクラシカルなスタイルとした。
受付を済ませ、更に奥へと続く通路は、途中クランクさせた導線を視認でき、手前の空間と奥との世界観を分けることにより、落ち着きと安心感を与える。手前は、片側1面採光を活かした回廊とする丸柱の列柱により、奥行きと広がりを感じさせ、シームレスな印象を与える。
窓側にはロートアイアンの特注フェンスを設け、更に彩りを図る。
紫外線を避ける様に配置されたドレスルームでは、特にドレスの背景として白を際立たせる為にあえて黒のステージとし、また、ウィンドウのガラス枠にも黒をあしらい、細い真鍮のラインをアクセントとしたモダンさを演出。
続く回廊の奥には、ドレスフィッティングルーム、メンズ、和装、ストックルームという構成となり、それぞれの世界観を演出する。
今では情報化社会の中で欠かせないInstagram のハッシュタグや、Facebookなどの自撮りが主流となり、このサロンでは、入口から通路やソファ、ドレスルーム、フィッティングルームなど、写真の背景となりえる魅力的なシーンを想定した空間を作り上げました。

光を感じ、空気が流れ、自然と奥へと誘導していく回廊から、ストーリーが始まり、そこで過ごす時間の贅沢さを感じ、ちょっぴり贅沢な非日常空間を感じてみては。