JR東海 飯田線 飯田駅
河岸段丘の頂部に建つ、4層のスキップフロア型保育園。
長野県飯田市の段丘地形が屋内にも連続するような段々構成となっており、平坦で均質な安全管理空間ではなく、子どもたちが体の成長とともに自らの危機管理を養い、居場所を能動的に開拓していくことのできる建築を目指した。
神社を囲む鎮守の森のなかという限られた敷地面積から、建物は積層せざるを得ない。しかし上下層で学年やクラスの関係が断たれないようにしたい。そこで、全室を条件の良い南側園庭に面するのではなく、地面の下がる北側を0.5階として「A.お昼寝に適した静かなスペース」南側は1階として 「B.園庭と連続する活動的なスペース」更に0.5階上部の北側2階は図画工作などを行う「C.座学スペース」として、室の環境と役割を積極的に分け、学年単位(各2クラス)でトリプレット形式となる保育空間とした。0.5階と1階は建具で南北方向に、2階は可動棚で東西方向に一体化でき、園児たちがクラスや学年を超えて交流することを促すつくりとなっている。東側には北側最深部の2.5階と連続する半屋外の大階段を設け、不足気味な園庭面積を補完しつつ、建物内外に渡る回遊動線を作った。様々なスペースを縫いながら走り回ることのできる行き止まりのない大きな立体円環は、遊び場の選択肢に溢れ、また運営管理もしやすい。運動会では保護者の観客席となり、イベントを盛り上げる役割も担う。
段丘構成を一体的に包む大屋根は、既存園舎のシンボルであった赤い屋根を踏襲しながらも、周囲の緑の豊かな表情や神社の古びた木の色に馴染ませるべく、特殊塗装を施した“むら” のある赤錆色のガルバリウム鋼板で覆った。そこへトップライトとハイサイドライトをランダムに穿ち、光の“むら” を作り出すことで、建物の構成に囚われない自由な居場所のきっかけを作っている。\各フロアには無垢材から混成、フェイクに至るまで、様々な木質系素材を宛てがっている。
飯田の段丘にへばり付く様々な草花、動物、史跡のように、子どもの微視的なまなざしに飛び込むマテリアルの多面性は、空間の経験に新たな奥行きを与えるだろう。
そして心身の成長に伴い獲得される巨視的なまなざしの拡張と相まって、いつまでもどこまでも奥行きと拡がりが生まれ続ける、飯田のダイナミックな段丘地形そのもののような保育園となることを願っている。
photo Takumi Ota
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東京都港区南麻布2-9-20
2011/10/01
一級建築士事務所 長野県知事 F83151号
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