霞ヶ関とサラリーマンの聖地、新橋オヤジ街のはざまに、店は位置している。オフィスビルが主で、飲食店や、ネオンはあまりない地域。利用客はビジネス上の利用が中心である。
個室のみで28室200席。
そんな地域に店は異彩を放っている。店先に目立つような営業案内やメニューは掲げていない。中は何も見えない。「何や？」「入りにくいな～！」「高そうだな！？」ビジネス利用の時は、店内がよく分からない方が接待する側、される側もいろいろと良さそうだ。
入り口の蔵戸は明治初期のものでケヤキの一枚板である。しかも入り口では和装の女将がお出迎えしてくれる。一枚板の戸が開くと京町家を思わせる石畳の路地を通り個室に案内される。
吟味した三和土、枯山水、オリジナルに創作した土壁、手漉き和紙がそれとなく視覚、触覚を刺激させていく。何とも言えぬ期待感で気分が高揚してくるのである。