ここよかたいマイング店は、博多デイトス店（2010年8月号掲載）と博多駅前の総本

店に次いで3件目で、今回は拡張工事に伴う全面改装であった。

　新たに拡張するエリアは元々マイング博多の従業員用ロッカー室だったところで、

躯体梁が低い上に更にその下にダクトが通っていて、天井がかなり低い条件だった。

ここでは天井をスケルトンの黒い天井にして、照明計画でも低い天井を意識させない

ようにデザインした。
　
　入口近くの立ち呑みエリアは、ファサードの間口が広がった分、出来るだけ開放的に

して入り易く賑やかなノリを出すために、前回と同じ「呑んべえ店主とその仲間たちの

集まる手作りバラック小屋」というテーマのもと、様々な要素を壁にパッチワークのよ

うに埋め込んだり貼り付けたりした。奥の着席エリアでは、床や壁、柱巻き、家具に古

材を多く用い、奥の壁には日本酒や焼酎のラベルをランダムに貼って空間を馴染ませた。

　また今回は、時間帯で立ち呑みスタイルと着席スタイルで使い分けれるように丁番で

出し入れ出来る可動式の座面を組み込んだビッグテーブル、狭いスペースの工夫として

メニューや箸などを収納する引き出しを付けたパッチワーク壁のテーブル、折りたたん

でフックにかけられるようにしたカウンターのハイスツール、元々階段裏となってたデッ

ドスペースをガラス越しに見せる酒の倉庫として活用するなど、機能面においても充実

させた。

　このように様々なガラクタ的な要素や仕掛けを混在させることで、カジュアルで温か

みのあるネオ大衆感たっぷりな酒場になったのではないでしょうか。