渋谷
FABRIC TOKYOによる新たなコンセプトショップである渋谷modi店。
” Inclusive ”を掲げており、性別に囚われず、健常者の方も身障者の方も誰もがありのままである事を肯定し、それぞれが着たいものを提供する、誰も排除することのない包括的な店舗の在り方を実現すべく設計をスタートしました。
誰もがありのままで良い、排除することのない、というインクルーシブなあり方に着目し、内装デザインとしても「インクルーシブ、包括的、ありのまま」という事柄から着想を得た設計内容となっております。
具体的にいくつかご紹介させて頂きます。
・ファブリックウォール背面やブラケット照明のメッキ処理金物プレート
この素材は基材であるスチールに特殊なメッキ処理が施されているもので、人々の見る角度によって様々な色に変化します。
色によって男性的、女性的と判断されるものは多く存在しますが、この「何色でもない色」はどんな性別をも受け入れてくれる、そんな思いを込めてアクセントデザインとして採用いたしました。
・現しになっている耐震ブレース
建築もありのままでいい、そんな考えで思い切って当ビルの躯体・耐震ブレースを意匠として現しにしました。
建物のありのままを見せる事で、ここを訪れる人々も、「ありのままの良さ」みたいな事に気づいて頂ければ幸いに思います。
・床に敷いている金物
こちらは普段内装建材では「下地」として多く利用されるものですが、「下地」もそのままの姿で意匠になり得る、というメッセージを込め、床デザインとして採用させて頂きました。
・什器天板等で採用されている素材
ニューノスという商品で、繊維産業で出る規格外品を見事に建材として再生しています。
廃棄された布の色や質感が損われておらず、大理石のような不思議な表情を持っています。
廃棄布までも排除せず再生していく姿勢、みたいな事を発信できればという思いの元素材選定させて頂きました。
・家具の貼地やカーテン生地で採用している素材
こちらはペットボトルからの再生建材で、どのようなものに対しても包括的で排除することのない姿勢や、サスティナブルへの取り組みを表現できればという思いで採用させて頂きました。
・床や壁で採用している木材
内装で使用されている木材は、建築用途の需要が少ないと言われている間伐材(廃棄材)が含まれており、天然木特有の節や、大胆な板目を積極的にデザインとして取り入れております。
・FABRIC TOKYO自社の生地を使ったアートワーク、アートパーティション
自社材料の役割への再着目という事で、内装デザインに華を添えるアートワークにも、FABRIC TOKYO自社素材を用いたデザインを採用しております。
・人の手で作られたようなネオン風サイン
人工的なもので溢れる世の中ですが、人の手で作られた物の暖かさを表現するために、発光サインの中でも筆記体ネオン風サインを採用しました。
人の手で作られた物や空間は、どんな人でも受け入れてくれる暖かさがそこにあります。
・車椅子の方でも使いやすい高さへ配慮した設計
車椅子の方が使いやすい位置の手すりやコートフック計画に加え、島什器の高さが2種組み合わさったデザインで、低い方は車椅子の方でもアプローチしやすい高さになっています。
また、一部ハンガーラックは高さが調整可能な可変デザインになっております。
・バリアフリー視点での設計
店内通路幅の充実、手すり、スロープ、フィッティング内の天井ミラー + 照明調光システムといった充実したバリアフリー対応造作を整えております。
上記のような設計意図や各素材が相まって、” Inclusive ”を体現する店舗となっていくことを願っております。
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東京都港区南青山4-1-3 セントラル青山601
2020/04/01
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