2021年3月、沖縄唯一の百貨店に誕生した新しい洋菓子ブランドの1号店です。
販売店、そして百貨店共にコロナの逆境の只中にある現場を踏まえ、店舗の在り方から見直しデザインを行いました。店舗を従来型の販売スペースとして考えるのではなく、オンラインストアやブランドイメージの体験の場であり、更に消費者からのメッセージを受けとる場としてのデザインを行っています。

この新しいブランドは、「井戸」をモチーフにして生まれました。水は人が生活する上で必要不可欠なものです。また、生活水を組み上げる為に知恵と労力を持って生まれた井戸は、人が集まる、寄り合い所としての機能がありました。GOLDWELL kisekinosweetsは、こうした自然の恵みと、それを活かす為に労を惜しまなかった人の努力にインスピレーションを得て生まれました。井戸の周りに人が集まり、水を分け合う。そして、コミュニケーションの和が拡がっていく。こうした一連の流れと、洋菓子を食べて小さな幸せを生んでいくことを重ね、全体のデザインを行っています。

ブランドイメージ表出の場である店舗は、あえて綺麗な化粧は施さず、土中を掘り込んだような外壁と、その中に店舗を差し込んだかのような構成にしています。菓子と、それを手渡す人と受け取る人が向き合える、プリミティブなデザインを目指しました。

その他、店舗外壁には、デジタルサイネージを設置しています。これは従来のポスターの機能の他、よりエモーショナルにブランドイメージを伝えられるよう、動画コンテンツも流せるスペースとして機能しています。また、ブランドのシェフのyoutubeチャンネルも流せることで、店頭以外にもオンライン上でも消費者からフィードバックを得られるようになっています。店舗とネット、それぞれにリンクするメッセージの発信の場と、消費者の期待を受け取る場を作ることで、よりダイレクトに商品企画が生まれるような仕掛け作りをしています。