関西随一の温泉景勝地、白浜温泉街を見下ろす老舗ホテルのフルリノベーションです。
55年前は白浜ロープウェイの山頂駅舎ちかくにある関西の富裕層に愛された瀟洒な洋風ホテルでした。耐震改修促進法に基づく耐震改修工事の実施にあたり、これを機にホテルの価値向上を図ることが求められました。
これに対し、私たちは眺望と温泉を売りとするヒルトップのスモールラグジュアリーホテルという当初のコンセプトを復元し、INFINITO（イタリア語の無限）をキーワードとした無限の眺望と心地よさで末永く愛されるホテルを目指しました。
「旅慣れて海外に長く暮らしたオーナーが平草原に計画したモダンスタイルの大きな邸宅」という架空の物語をつくり、欧米生活を踏まえて日本の良さを見つめ直すという視点を設定しました。
正統的な上品で風格ある大人の雰囲気を大切にしながら、地元の偉人南方熊楠をイメージし欧米博物学の古植物画を和の掛け軸に表装するなど、物語にそって内外装のみならず、家具、インテリア、アートまでトータルなホテルデザインを展開しました。