日常生活と観光と既存の商店街が混在する鎌倉の立地に、まちなみの品格を守りながらこの地域で新たな発展性を試み、未来の鎌倉を見据えた新たなスポット作りの先駆者を目標にし、この計画は進められた。この地区に住む美容室のユーザーは富裕層が多く、いわゆるセレブ地域でもある為、その品格に合わせた店づくりでなくてはならない。工事費用が限られたこのプロジェクトで求められた課題はミニマルデザイン・徹底したマテリアルの選定でした。
美容室で使用しがちな全面タイル、アールデコを催した装飾などは一切使用せず、安価な塗装、左官、木目調クロス、少量の量産タイルで構成された空間としました。
いろいろな装飾を施し、デザインを足していくことに美学を感じたインテリアの定義も、引きてくことに美学を感じるミニマル思考にシフトしつつある世の中、今回のような新たに出店したいけど予算は限られているプロジェクトは増えていくと思います。その時に求められるスキルは工事生産性の無駄を省く技術力、マテリアルを選び抜くセンスと地域特性の付加価値を与えたカルチャー要素です。