この茶室は、露地に代わるほの暗い廊下から小間、明るく開放的な広間まで、茶事の流れに合わせて連続した空間を有する。これにより、一連の流れの中に緊張感と高揚感が生まれる空間とまた、現代にありふれた廉価な工業素材（パーチクルボードやプラスターボード）を使いながら、仕上げにひと手間を加えることで、伝統的な茶室の雰囲気に見合った設えを丁寧に検討建具や壁は様々な形（突出し壁、全面引戸、土壁風の開戸）で可動することにより、内と外の関係が多層的に変化する茶室を目指した。